2026.01.14

娘と二人でパリに生地の仕入れに

娘と二人で、パリへ生地の仕入れに出掛けました。

12月、福岡での一週間にわたるポップアップを終えた翌日、京都に戻り、そのままパリ行きの荷物を整えて羽田へ向かうという、今振り返っても少し無謀に思えるほどのハードスケジュールでした。

かつては関西空港から多くの直行便がありましたが、コロナ以降は便数が大きく減り、今回は羽田出発に。距離も時間も以前より負担が増えましたが、娘が同行してくれたことで、心強さに何度も救われました。

久しぶりに訪れたパリの街並みは、相変わらず美しく、凛とした佇まいを保っていました。

一方で、大きく変わったと感じたのは、日本人観光客の少なさです。前回も減少を感じましたが、今回はさらに顕著でした。為替の影響に加え、ホテルの宿泊費も大きく上がり、日本で購入した方が割安に感じるものも少なくありません。

今回の旅の一番の目的は、もちろん生地の仕入れでしたが、もう一つ、長年心に温めてきた夢を叶えることでもありました。それは「海外で着物を着ること」。

以前、『クロワッサン』の「着物の時間」というコーナーに掲載いただいた際、「いつか海外で着物を着てみたい」と綴りました。その想いを、今回、パリとロンドンで実現することができました。

まずは、初めてのユーロスターに乗り、ロンドンへ。

クリスマスシーズンのロンドンは想像以上の賑わいで、ブランドショップの装飾も華やかでした。かつて景気低迷と高い失業率が語られていた時代を知る身としては、その変化に驚かされました。街並み自体は変わらず、そこに人々の熱気が重なっている印象です。

フィッシュ&チップスをバーで味わい、カフェで紅茶をいただき、バッキンガム宮殿へ。娘にとっては初めてのロンドンでしたので、定番の景色を一通り楽しみました。

楽しみにしていたフォートナム&メイソンでのアフタヌーンティーは、あまりの混雑に断念。どこも予約で埋まっており、最終的にはハロッズ内のカフェで、ささやかにスコーンとお茶をいただきました。

滞在は一泊のみ。二日目は着物姿で街へ出掛けました。

着物はもちろんですが、バッグを褒めていただくことが多く、「自分で仕立てたものです」とお伝えすると、皆さん驚かれていました。

帰りのユーロスターも、そのまま着物姿でパリへ。

海外で、着物を着てロンドンとパリを往復する——そんな体験ができるとは、自分でも少し驚いています。やると決めたらやってみる。それは、きっと私の性分なのでしょう。

パリでは、モネの絵画を多く展示している、オランジェリー美術館へ。

モネの《睡蓮》を思わせる帯に、白大島の亀甲柄の着物を合わせました。

「写真を撮らせてください」と声を掛けていただくこともあり、少しだけ誇らしい気持ちになったりして……つい調子に乗ってしまいました。笑

その日は、私の59歳の誕生日でした。

娘が、エッフェル塔を望むレストランを予約してくれており、「母の誕生日なので、特別な席を」と、日本から事前にお願いしてくれていたそうです。

さらに、宿泊先のホテルにも「母親の誕生日なので、エッフェル塔が見える部屋を」とリクエストをしてくれていたと知り、胸が温かくなりました。

いつの間にか、こんなにも気遣いのできる大人に成長していたのだと、しみじみ感じました。

一生心に残る、忘れられない誕生日になりました。

今回は多くの生地を仕入れることができ、重たい荷物を運ぶのも、力持ちの娘が手伝ってくれました。時間を忘れて没頭した生地選びは、何よりも楽しいひとときでした。

これから、その生地がどのようなバッグに仕上がっていくのか——

今から楽しみでなりません。

どうぞ、ご期待ください。