2021.10.21
今日は娘の振袖のお話し
昨年、東京での催事期間中にカドゥ京都をいつも心から応援して下さっている、ギフトコンシェルジュの裏地桂子さん宅にお邪魔しました。
その時に娘が再来年成人式を迎えるお話しをすると、クローゼットの中から帯を取り出して来られました。
何と、お嫁入り前にお婆様がお誂えして下さった威甲冑柄の帯を娘にお譲り下さるというのです‼️
着物に全く精通していない私にもその美しさ、素晴らしさ、高価さは直ぐに見て取れました。
驚き躊躇する私に、「この帯を今後身に付けることもないので、喜んで使ってくださる方に使って貰う方が帯が喜びますわ!」と仰いました。
甲冑柄は身を守るという意味もあり、帯の様な長いものを貰うことは、厄除けにもなるそうです。
二十歳の節目にそういった縁起の良いものを譲り受けられるなんて、とても幸せな事です。
女性は身に付ける予定がなくとも思い出のもの、高価だったものを使う予定も無いのにため込むのが一般的かもしれません。
例に漏れず私も、そんなものばかりです。
桂子さんは、惜しげもなく、執着することもなく、人にあげることが出来る素敵な方なんです。
なのでお部屋はいつもスッキリと綺麗に片付けられています。色々と尊敬することばかりです。
こんなに美しく貴重な帯を頂いたので、桂子さんのお友達の京都の老舗呉服店の「に志田」さんにその帯に合う着物を探して頂きました。
今ではその美しい女性店主に私も親しくして頂いています。
人間的にもセンスも絶対的な信頼をおいています。
最初に探して頂いた着物は黒地で私好みでした。
帰って娘に写真を見せると、「黒はないわ〜」と簡単に却下。
素敵だったのに残念でした!
なかなか好みのうるさい娘は緑色系が良かったそうで、色々と探して頂きました。
娘も納得の一枚を選び、職人さんに金箔加工や金駒刺繍を施して頂きました。
急いでもいませんでしたので、ゆっくりと縫製、加工して頂きました。
そして、先日はいよいよ最終の帯揚げ、帯締め選びでした。
仕上がった枝桐文様の柄の着物を目にし、娘は嬉しそうでした。長襦袢にはお袖からチラリと見える紅上げの文様の菊紅葉🍁は絞り加工され、本当に素敵に仕上げて頂きました。
に志田さんのお店は暖簾を潜った瞬間から何処をとっても美しい空間です。
お掃除が行き届いたお部屋と坪庭、日本家屋は風情があり、凛とした心地良い空気感があります。
その日はわざわざ二條駿河屋さんの朝に作り立ての栗の和菓子をご用意下さってました。
普段の生活と違う、異空間で贅沢にも
着物や小物を選ぶこと、それら全て含めて娘に知って感じて欲しいなぁとの願いが有りました。
これまで特別なことはしてあげていませんが、今回は一年かけて特別な体験を味わえたのではないかと思います。
バッグは勿論カドゥのバッグ。
只今、口金に取り付ける煤竹と持ち手の黒竹を漆加工を施して貰っています。
忙しなく子育てをして来ましたが、初めてじっくりゆっくりと準備をする事が出来ました。
来年、コロナがどうなっているか誰も予想がつきませんが、無事に成人式が執り行われますように切に願います。