2023.10.30
両親、夫婦で老老介護
2泊3日で長崎の実家に帰って来ました。
父の年齢は、早いものでもう89歳です。
母は年齢より若く見えますが、84歳になりました。
父はここ数年でめっきり足腰が弱り、室内でも杖をつきながらの歩行になってしまいました。
最近、高熱を出したり、感染症を起こし、入退院を繰り返すようになりました。
腎臓も心臓の機能も低下しているようです。
お酒好きですが、晩酌の量もめっきり減りました。
具合が凄く悪くなる度に母から電話があり、受話器からは涙を堪える震える声で短く病状を伝えてくれています。
三人の子供達は遠くに住んでおり、一人でさぞかし不安なのでしょう。
母に申し訳ない気持ちになります。
父は体温調節を自らできないようで、手足は驚くほどに冷たく、毛糸の帽子、カーディガン、ダウンジャケットまで着て高めの座椅子に座っていました。
勿論、こたつも既に出して使っていました。
二週間の入院生活から帰って来たばかりで、一段と弱って見えました。
以前は自身で髭剃りで顔の髭を剃っていたようですが、入院から戻り、あちこちから髭が伸び放題で髭剃りでは到底対処出来ない状態でした。
たまたま母が出かけていた時、二人きりの時に理髪店に行って、髭を剃ってもらおう!と提案してみました。
綺麗好きの父も伸び切った髭が気になっていたのでしょうか、素直に頷き行くことになりました。
ただ、トイレも近くなり、尿意を催しても直ぐに歩けないので、外出だけはおむつをする様にお願いしました。
父はオムツを嫌い、直ぐにはうんとは言ってくれませんでしたが、万が一タクシーや理髪店にご迷惑を掛けてはいけないと、何度も説得し漸く納得してくれました。
この歳になったら、外出の時にオムツなんて当たり前よ!!と。
母には絶対応じないのですが。
オムツを嫌うのは、父のプライドなのでしょうね。着替えを介助した時に、パンツの上からオムツを履いていました。
それでも進歩です。
タクシーで伺った理髪店の主人は心よく受け入れて下さり、丁寧に丁寧に髭を剃って下さいました。
スッキリと整えられた顔に父もご満悦の様子でした。
若い頃はスポーツマンでハンサムだったんですよ。
一つ一つできる事が少なくなり、行動範囲が狭くなって、食欲も落ちてきて、老いていく姿を見るのは忍びないものですね。
本人が一番辛いでしょう。
父の強い精神力で寝たきりに辛うじてなっていないと思います。
あと何回会う事ができるのでしょうか。
別れ際に冷たく冷えきった父の手と握手を交わしました。
(剣道七段の腕前の若かりし頃)